【暮らしに溶け込む大豆食品】加工食品に対するイメージが変わるかも?
この記事でわかること!
    • 気がつかないうちに、大豆食品はあなたの暮らしに溶け込んでいる!
    • 大豆食品から考える、加工食品の素晴らしさ

    栄養士 ちびうし
    大豆って、どんな印象がある?

    のらねこ
    健康や美容によくて、身体にいい食べ物って感じかな?
    ダイエットの時とかに、お肉の代わりに食べるヘルシーなたんぱく源って感じ?

    栄養士 ちびうし
    そっかそっか!
    じゃあさ、コンビニ弁当やお総菜にはどんなイメージがある?

    のらねこ
    手軽で便利!だけど・・・
    いっぱい食べると、身体に良くないってイメージかな?

    栄養士 ちびうし
    ふむふむ。
    じゃあさ、そのコンビニ弁当やお惣菜に、実は大豆が使われているって知ってた?

    のらねこ
    ・・・?
    あぁ、煮豆とか厚揚げ料理とかのことかな?

    栄養士 ちびうし
    いや、ハンバーグとかそぼろとかに

    のらねこ
    えっ、まじで!!!?

     

    あなたは加工食品にどんなイメージを持っていますか?

    身体に悪い?
    塩分が多い?
    ニセモノ?

    こんなイメージを持っている方もいるかもしれませんね。

    では、なぜネガティブイメージの強い加工食品が、世の中に出回っているのでしょう?

    答えは簡単です。需要があるからです。

    栄養教育の現場では「加工食品は控えましょう」と伝えることが度々あります。

    しかし、その言葉の本質は「加工食品と上手に付き合いましょう」ということ。

    今回のテーマは加工食品についてです。

    暮らしに溶け込むように存在する大豆食品をきっかけに、加工食品についての個人的な考えをつらつらと書いていきたいと思います。

    栄養士 ちびうし
    まずは、代表的な大豆加工食品からチェックしていこう!

    この記事は、あくまでも私の個人的な考えです。

    通院・入院中の方は、かかりつけの医師又は管理栄養士・看護師の指示に従ってください。

    代表的な大豆食品

    成長過程の大豆食品

    大豆もやし 光をあてず、適切な温度・水温の環境下で大豆を発芽させたもの
    枝豆 登熟過程(成熟していく途中)の大豆を収穫したもの

    のらねこ
    あれっ?
    もやしって緑豆じゃなかったっけ・・・?

     

    もやしの中には、大豆からつくられるもやしもあるのです。

    光を遮った状態で、適切な温度・水温の環境下で豆類を発芽させたものもやしです。

    下のイラストは、日本で生産されている主な豆類から発芽させたもやしの種類を比較したものです。

    左から順に、緑豆・ブラックマッペ・大豆です。

    出典:もやし生産者協会

    栄養士 ちびうし
    最も普及しているのは、緑豆から発芽した緑豆もやしだよ

    のらねこ
    こうして比べてみると、大豆のもやしは豆が大きめなんだね!

    大豆もやしは、豆が大きいのが特徴です。中華料理での炒め物や韓国料理のナムルなどでよく使われています。

    緑豆もやしのイメージが強すぎるため、大豆のもやしがあるということを知らない人も、意外と多いんです!

    ポイント!
    もやしや枝豆は、大豆が完熟する前の大豆食品

    完熟豆の大豆食品

    大豆と豆乳

    炒り豆 大豆を焙煎したもの
    きな粉 炒り豆を製粉したもの
    煮豆 大豆を洗い、水分で膨らませ煮たてたもの
    豆乳 水分を含んだ大豆をすり潰しておからを取り除き、加熱したもの
    ゆば 豆乳を加熱したときにできる、表面の被膜を取り上げたもの
    豆腐 にがりなどの凝固剤で豆乳を固めたもの

    水分含有量や固め方の違いによって、さまざまな大豆食品を製造できる

    凍り豆腐 豆腐を凍らせてから解凍することで、水分を取り除いたもの

    「高野豆腐」とも呼ばれる

    おから 豆乳をしぼったときに出る副産物

    食物繊維を豊富にふくむ

    「卯の花」とも呼ばれる

    大豆油 大豆を原料とした油

    必須脂肪酸であるリノール酸・リノレン酸を多く含む

    栄養士 ちびうし
    豆腐は水分量や固め方によって種類が分けられて、更に加工を加えることで様々な大豆食品に変身していくんだ!
    豆腐加工
    「おぼろ豆腐(寄せ豆腐)」は、凝固剤によって豆乳が凝固したものを、そのまま食べるもの。これを崩して圧縮すると「木綿豆腐」になります。
    「絹ごし豆腐」は、濃い豆乳を凝固剤でそのまま固めたものです。
    これらを焼いたり揚げたりすることで、「焼き豆腐」や「油揚げ」などの大豆食品が製造されます。

    栄養士 ちびうし
    ちなみに、凍り豆腐が「高野豆腐」と呼ばれるのは、冬に自然に豆腐が凍る環境だった高野山近くで、古くからお土産として売られていたからなんだよ
    ポイント!
    完熟大豆は、加工工程によってさまざまな大豆食品へと変身していく

    大豆の発酵食品

    醤油 加熱した脱脂大豆・小麦・食塩などの原料を麹菌で発酵させたもの
    味噌 蒸し煮した大豆・食塩と、米または大麦を麹菌で発酵させたもの
    納豆 蒸し煮した大豆を納豆菌で発酵させたもの
    醤油・味噌は、大豆とでんぷん(米や麦に含まれる糖質)を麹菌で発酵させることでうま味・甘味・風味が生まれます。
    また、食塩によって腐敗菌を抑制するため貯蔵性が向上します。
    対する納豆は、食塩を添加しません。納豆菌の力のみで発酵させた大豆食品です。また、発酵することで大豆に含まれる一部の栄養素量が増加し、更に栄養価の高い食品へと進化するのです!

    栄養士 ちびうし
    菌が増殖すると発酵熱によって温度が上がってくるんだ!
    適切な温度でないと品質が落ちてしまうから、発酵食品の温度管理はとても大切なんだよ
    ポイント!
    大豆発酵食品は、加熱した大豆などの原料を微生物によって発酵させたもの

    あわせて読みたい!

    大豆食品の系統図出典:農林水産省Webサイト(http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/0905/spe2_03.html)

    のらねこ
    す、すごい!
    大豆油を搾り出した脱脂大豆まで醤油に変えられているんだ・・・
    無駄がないっ!!!

    栄養士 ちびうし
    昔は冷蔵庫なんてなかったから、塩を使って貯蔵性を上げたことから味噌や醤油は生まれたんだ
    食べ物を腐らせて無駄にしては「もったいない」と思う心から生まれた、素晴らしい技術だと思わない?

    こんな商品にも、実は大豆が使われている!

    植物性ホイップ

    ホイップたっぷりのパンケーキ

    お菓子やケーキを作るために生クリームを買ったことがある人は、ご存知かもしれません。

    生クリームの商品コーナーに、「植物性脂肪ホイップ」という商品を見たことはありませんか?

    生クリームよりも価格が安い傾向にあり、カロリーも少し低めです。

    この植物性脂肪の中に、大豆油も含まれます。

    植物性ホイップには、油脂以外に水分・たんぱく質などが含まれますが、通常であれば水と油は分離してしまいますよね?

    この、水と油のように本来混ざり合わないもの同士が均一に混ざり合う状態のことを乳化と言い、その乳化を助ける添加物を乳化剤と言います。

    そして、その乳化剤として使用されているのが「レシチン」という成分で、大豆を原料としたものは「大豆レシチン」と呼ばれます。栄養成分の表示には、「乳化剤(大豆由来)」と書かれています。

    のらねこ
    あのクリーミーなホイップに、まさか大豆が入っていたなんて~!
     ただし、「植物性脂肪=大豆油」ではありません。

    植物性脂肪に関する詳細は、『農林水産省 特集2 まるかじり(1)』よりご覧ください。

    コンビニ弁当やお惣菜

    冒頭でお伝えしたように、コンビニ弁当やお惣菜にも大豆が含まれています。

    栄養成分表示には「植物性たんぱく」と表記されるもので、大豆以外に小麦由来のものもあります。名前の通り、大豆・小麦に含まれるたんぱく質製品です。

    大豆食品系統図脱脂大豆を、更に加工したものです。

    脱脂大豆は高たんぱくかつ、加工によっては肉の食感に似せることができるため、ハンバーグ・ミートボール・そぼろなどに用いられたりします。

    のらねこ
    なんだか・・・
    普段、自分が何を食べてるんだかわからなくなってきたよ・・・
    騙された気分・・・

    栄養士 ちびうし
    騙すだなんて・・・悲しいなぁ
    加工食品はね、
    いかに無駄なく
    いかに美味しく
    いかに安く
    を考え抜いた結果生まれた、食品工業技術の賜物なんだ!

     

    消費者にとっての加工食品の最大のメリットは、なんと言っても安いことでしょう。

    でも、1つのお弁当を売るために、どれだけの工程があるでしょう?

    材料費・人件費・包装費など、その他もろもろの製造コスト・流通コスト・営業コストがかかっています。

    相当な企業努力をしなければ、ワンコインでお弁当なんか売れません。

    商品に対して「うまい」「まずい」「よい」「わるい」を言うのは簡単です。

    その商品・企業を信頼してお金を払ったのですから、意見する権利は当然あります。

    ただ1つだけ確かなことは、「加工食品には需要がある」ということです。

    外食・中食産業の市場規模の推移

    外食産業の市場規模推移出典:加工食品 業務用調理品の業界環境・背景 データで見るニチレイ

    こちらのグラフは、1998年から2014年までの外食・中食産業の規模の推移です。

    中食とは?
      • 外食と家庭料理の中間に位置する産業
      • 惣菜・弁当・調理済みパン・冷凍食品・レトルト食品・インスタント食品等の加工食品

    外食産業は縮小し、中食産業は拡大していますよね?

    中食産業の拡大には、以下のような背景が考えられます。

    中食産業拡大の背景
      • 共働き世帯の増加による調理の簡便化
      • 核家族化&高齢化による、高齢者に利用増加
      • 「買い物弱者」支援ビジネスの増加

    のらねこ
    そういえば、セブンイレブンとか、いろんな企業が宅配サービスやってるよね

     

    そうなんです。

    こんな時代だからこそ、加工食品は必要なのです!

    自分で選択する力をつけることの大切さ

    のらねこ
    加工食品は食べ物を無駄にしない精神から生まれたもので、現代だからこそ需要があるのがわかったよ!
    ちびうしがさ、1番伝えたかったことをまとめて言うと?

    栄養士 ちびうし
    加工食品の良し悪しを語る情報に翻弄されず、それぞれが自ら「食べるもの」を決める力をつけてほしいってコト!

    最後に

    管理栄養士としてではなく
    ちびうし個人からのメッセージ

    食品加工の技術は、日々進歩しています。

    以前から、ハムやウインナーなどの加工食品に含まれる食品添加物「リン酸塩」が健康に害を与えるなどと問題視されました。

    世間の声を受け入れ、各メーカーからはリン酸塩を使っていない加工食品も販売されています。一方で、リン酸塩を使った既存商品もあります。

    なぜならば、リン酸塩を使った方が価格が安く設定できるから。

    そして、やはり安い加工食品には需要があるからです。

    人は食べ物からエネルギーを得なければ、生きていくことができません。

    それぞれの人に、それぞれの家庭があり、経済状況も変わってきます。自分の生活にあった商品を選んでいけばいいのです。

    マーケットインを重視している食品加工メーカーはたくさんあります。

    あなたの「うまい」「まずい」「よい」「わるい」の意見はきっと届き、そして必ず応えてくれるはず。

    加工食品を毛嫌いせず、あなたの声で加工食品をもっとよいものに育てていってほしいです。

    そして、加工食品と上手につきあえる知恵を一緒につけていきましょう!

     

    【参考元】

    • 小野伴忠・下山田真・村本孝二編(2012)『食物と健康の科学シリーズ 大豆の機能と科学』朝倉書店
    • ニチレイコーポレーション データで見るニチレイ https://www.nichirei.co.jp/data/d1.html(H30.7.26)
    • 農林水産省 特集2 食材まるかじりhttp://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1111/spe2_01.html